2008年5月22日木曜日

京都流議定書レポート vol.09 -『新たな可能性に挑む~進化する和紙~』 堀木 エリ子 氏-

京都流事務局のパキラです☆(^◇^)

今日は、5月2日に行われました最後のセミナー、
堀木エリ子さんによる『新たな可能性に挑む~進化する和紙~』について。

まず、堀木エリ子さんにつきまして、
堀木エリ子さんの印象は、
「カッコイイーーー☆」でした。(>▽<)



服装も、黒色のスーツに、赤色シャツ+赤色ネクタイ、
そして、何より考え方がとてもカッコイイ!!
1時間という短い時間でしたが、伝わるものがありました。
講演テーマは『新たな可能性に挑む~進化する和紙~』でしたので、
和紙に関することから、“伝統”に対する思い、
問題解決の方法など、
いろいろなお話をされていました☆


そして、素敵な言葉を
たくさん聞かせていただきました☆

いくつか挙げますと、

・長く続いているお店や企業は、
伝統の継承、その時代の新しい考え方・技術を取り込むことで、
時代の要望に沿うものを提供している。
・困ったときは、原点に戻って考える。
・継続は力なり。
・出来ないことを出来るようにする方法は、二つある。
→出来ない理由を突き止めて、その理由を消していく
全く新しい方法を見つける
・夢は語らないと実現できない。
・どんな発見も発明も、技術の発展も、お客様からの要望から。
・一つの技法を見つけたら、それを進化させていく。
・誰かがどこかで使った道具を使って、
誰かがどこかでやった方法で物を作ると、
誰かがどこかで出した結果しか出ない。
・“革新”が継続した姿が、“伝統”。


全部、なるほどと関心するのですが、
そのうちいくつかのエピソードを挙げたいと思います。

-----------------------

『困ったときは、原点に戻って考える。』

堀木エリ子さんは、高校卒業後、
社会の一般常識・ノウハウを知るために、
都市銀行に就職され、
約4年後、和紙を扱う会社へ転職、
そこで手すき和紙に出会われたそうです。


ただ、数年後その会社が倒産してしまいました。
それでも手すき和紙という伝統に対する熱い思いから、
新しく会社を起こされたそうです。

そこで、前の会社と同じことをしていては、
同じような結果になるということで、
原点に戻って考えたそうです。

まず、和紙の方向性について。

手すき和紙の良さは、
長くきれいに使えることや、
年代が経っても色が褪せない、質感が変化しない。

そうなると、祝儀袋やラッピングなど、
一度使ってしまえば終わってしまうものは、
価格で選ばれてしまうため、
機械で作った紙には、太刀打ち出来ない。

インテリア空間に使うものであれば、
一度買えば、10年20年もっと長く使える。

次に、和紙の大きさについて。


インテリア空間で使う方向とすれば、
基本的な大きさの60cm×90cmではなく、
90cm×180cmの畳一畳分の大きさ。
二人がかりですくそうです。

ただ現代のインテリア空間は、
広い空間が多い。
そこで、もっと大きな和紙をすけないかと職人さんに尋ねたところ、
270cm×210cmの畳三畳分の大きさがすけるということで、
このサイズを、最小サイズに決めたそうです。
5人がかりですくそうです。
今では、もっと大きなサイズもすけるそうです。

次に、和紙の内容について。

和紙は1200年もの伝統があるそうですが、
なぜそんなに長く使い続けられたのか。

代表的なものとして、障子を例に挙げると、
和紙のもつ柔らかさ、
太陽光線が介在することで、影が薄くなったり濃くなったりと、
時間の経過が感じられたり、
庭のもみじの紅が映り込んだり、
柔らかい満月の明かりが映り込んだり。

和紙によって、時間の経過や、季節の移ろいが感じられることが、
情緒や情感といった日本の美学に繋がっているのではないかと感じ、
情緒や情感を感じられる「移ろう和紙」を造ろう。
と決められたそうです。

そして、堀木エリ子さんにとって重要なことは、
和紙のこちら側の空気感をどう造るか、
和紙の向こう側の気配をどう造るか、
だそうです。

-----------------------

『“革新”が継続した姿が、“伝統”』

堀木エリ子さんは、
和紙をすく新しい方法で特許を取られているそうですが、
その新しい方法で造った和紙について、
ある職人さんに言われたそうです。


「あんなのを和紙と言わんといてや」と。

ただ、1200年前“和紙をすく”ということは、
“革新”だったはず。
それが、今“伝統”と呼ばれている。

となると、この手法が今“伝統”と言われなくても、
問題ではない。
この手法を“革新”だと解釈したときに、
50年後、100年後に“伝統”に育っていれば、
素晴らしい一つの技術なんじゃないか。

だから、今も新しい技術を追求し続けている。と。

-----------------------

そして、最後に、
堀木エリ子さんは、仕事の流儀について
お話しをされました。


「出来るか出来ないかで悩まない。
出来ない選択を捨てると、
『どうしたら出来るか?』しか残らない。

そうなると、出来る前提でしか物事を進めないから、
出来る!」

社長からは、よく朝礼などで、
堀木エリ子さんの仕事の流儀について聞いていましたが、
実際の体験も交えてお話を聞けて、
とても大きな言葉として感じました。

堀木エリ子さん自身が、
新たな可能性に挑み、進化し続けている。
そこから生まれた“言葉”だからこそ、
とても大きな言葉として、実感しました。

-----------------------

☆セミナー裏話☆(^◇^)

堀木エリ子さんは、本当にカッコイイ素敵な方でした!!
その情熱はどこからくるものなのか?
質問コーナーがあったら、挙手していました。

もし機会があったら、是非みなさんも
聞いてみてください☆
すごいパワーがもらえます☆(^◇^)

0 件のコメント:

コメントを投稿