こんにちは、井上です。
最近、料理研究家の辰巳芳子さんの「いのちの食卓」を読みました。
料理が得意で大好き♪ という人と出会うと、いつもすご~い!と尊敬の眼差しを送ってしまいます。
おいしい料理を作れるだけでなく、料理は人柄までも表すのではないかと思います。
いつか、「料理くらいですかね~、自信もって得意と言えるのは」なんてセリフを言ってみたいもんだなぁとずっと憧れています。
しかし本屋さんで手にするのは、レンジで出来る簡単レシピなどなど・・・。
この本は、いまひとつ料理に興味の持てない私に変化をもたらしてくれたかもしれません。
冒頭に
~この国の三割ほどは、崩食郡に属するだろう。崩食の、成人身体への悪影響は、急速には現れないかもしれないが、必ず狂わせる素因となるだろう。~ と記されています。
また、~「食べる」ということは、呼吸と等しく、いのちの仕組みにくみこまれているものなのです。
呼吸をしないと死んでしまうように、人は食べなければ生きていけない。
「食べる」ことは生きることそのものなのです。これは抗いがたく厳然とある事実。
だからそのことをよく思い定め、積極的に受け入れて、「食べる」ということをまっとうに
生きていかなければならないのです。~とあります。
昔から、どこの民族も人々が暮らしやすいように、生きやすいように食べてきていて、体に悪いものは排除するなどして長い年月の経験を経て「食べごこち」を作ってきたということ、
また、日本には四季があり、季節の食材を取ることで人間の体調を自然に整えてくれるように出来ており、次の季節を迎えうつ心組みをもって、その季節のものを食べてゆく必要があるなど詳しくレシピも含めて教えて下さっています。
これからますます日本は、高齢者社会を迎えるにあたり、病院食をおいしくない「刻み食」から、今日は何だろう?♪と楽しみに思ってもらえるような人生を幸せに終えるためのスープも薦められており、これからの病院のあり方なども伝えておられます。
「食べる」ということは感慨深く、幸せを導いてくれるものだと感じさせてもらえます。
何でもいつでも手に入る世の中で、先日未曾有の大震災が起こり、当たり前の日常が当たり前でなくなりました。
炊き出しの応援にいかれた方々の手作りの料理で被災者の方が少しでも元気になれたり、ホッとされたりする光景はとても温かく感じます。
日常の中での普通の有り難い幸せにもっと焦点を当てて、「食」とともに自分の生活も見直してみようと思わせてもらえた一冊でした。
明日は、古谷さんです。
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