2010年8月17日火曜日

講演 『理念を基軸とするオムロンの経営の考え方』 (京都流議定書2010レポート)

続いてのプログラムは、『理念を基軸とするオムロンの経営の考え方』をテーマとし、オムロン株式会社 取締役副会長 立石文雄様に講演いただきました。


オムロンではCSRという言葉が流行る前から、自社の理念に則って社会貢献に取り組んでこられ、その理念を基軸とするオムロンならでは経営の考え方についてお話頂きました。


今回のお話で一番注目すべき点はやはり経営理念の必要性と共有化です。

講演の中で立石副会長より、「利益を求めることは人で言えば、息をすることと同じであり、企業の価値はそこではなく、人の幸せ、社会の役に立ってこそ企業の価値がある」とお話しされていました。

その際に「利益というものは当たり前に必要であるもので、その当たり前のものにばかり目を向けているだけでは今後企業としての存在価値はなくなってしまう。しかし、このような価値は会社の規模が大きくなれば、大きくなる程社員全体での共有が難しくなる」とも仰っていました。

会社規模が大きくなり、同時にグローバル化が進み、価値観の多様性が生まれ、企業としての求心力が失われていく。その中でやはり企業としての求心力である企業理念をすり合せて行く事は最優先で行うべき事なのだと感じました。


また、「企業理念とは海にある一つの灯台。社員が向かう先を見失わぬよう道を示してくれるものが企業理念だ」とお話されていて、その時に私自身企業として一枚岩になるためにはこういった理念の下、社員全員がベクトルを合わせて一つのものに向かい進むことが企業を良くし、強くしていくのだと思いました。


そして、オムロンのCSRとは企業理念を基軸に具現化されたそのものだと実感しました。企業として経営していること自体が社会に貢献していることはもちろん、太陽の家やオムロンデイのように他の部分での価値、社会満足に応えるための活動をしていること。その活動をするためCSR委員会が幹部の方で構成され、企業にトップダウンされていることは見せかけの社会貢献ではなく、企業が本気で社会のために取り込んでいることの現われだと感じとることができました。

ご協力いただきましたオムロン株式会社の皆様お忙しい中ありがとうございました。今後益々のご発展をお祈りします。

(文責:前江田)


■京都流議定書2010レポート一覧
初日(2010年7月23日)
市民講座 『京都大学グローバルCOEプログラム 地球温暖化時代の科学拠点』
京都流議定書2010 オープニング・セレモニー
鼎談 『京都から考えるライフスタイルそして企業の在り方』
講演 『理念を基軸とするオムロンの経営の考え方』
報告講演 『大学生のCOP15会議 参加報告』
基調講演 『新しいゲームがはじまった ~低酸素社会実現に向けて~』
2日目(2010年7月24日)
ワールド・カフェ 『200人で良い会社とは?』
講演 『いい会社を作りましょう (京都フォーラム) 』
講演 『「利より信」の経営 (京都フォーラム) 』
パネルディスカッション 『素晴らしき経営を目指して (京都フォーラム) 』
3日目(2010年7月25日)
基調講演 『こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した~京都で生まれたNPO 10 年間の軌跡~』
シンポジウム 『老舗の技を解析する』
シンポジウム 『-CSRは将来の利益を生み出す投資- 地域と共に生きる京の老舗企業』
OST 『京都未来創造発掘場』~学生と経営者が生み出す革新プロジェクト創出ワークショップ~
特設ブースとイベントを終えて

0 件のコメント:

コメントを投稿