2010年8月30日月曜日

シンポジウム 『-CSRは将来の利益を生み出す投資- 地域と共に生きる京の老舗企業』 (京都流議定書2010レポート)

テーマは地域と共に生きる京の老舗企業ということで、始めにそれぞれの方の事業内容説明と取り組みについてお話しいただきました。
どの取り組みも素晴らしくて、本当に地域のことを考え、もちろん、自社のことも考えられるという、本質的なところのお話をお聞きできました。


CSRは将来の利益を生み出す投資と前向きにとらえる企業が老舗企業には多いとのことで、地域とのあり方を一番に考えられているのだと感じました。

津田代表取締役社長は、様々なことを取り組まれていますが、その際も、事業精神が自分たちとマッチするか、地域や京都の為にもなるかと考え、企業と地域の在り方を考えておられました。「企業は存在意義を忘れてはいけない」その言葉に感銘を受けました。


株式会社小堀の小堀専務取締役は、CSRの根底にある精神として、「絆」がテーマとお話しされていました。また、最近よく聞く3Rはもともと日本にあった思想で、物を大切にするという気持ちを持つことがこの時代だからこそ発信していくべきで、それがCSRにも繋がるのだとお話を聞き感じました。


有限会社村田堂の長屋氏は「企業の経営者とはいえ地域の一住人です。学校を核にしいろんな人で地域を作っていくことが理想。」とお話しされており、事業とからめながらも地域のことを考え貢献していくことが大事とお話しされていました。


老舗であるということは守るべきことと変えるべきことの選択が常にあり、時代の流れを読み取っていることで、伝統は革新の連続だとお話しされていました。

革新が伝統を守るのではなく、企業理念や目的が明確にされることで、次世代へと受け継がれていく。老舗であるということは決してただ伝統があるからではなく、その伝統を守るために時代に合わせた進化を遂げ、またそこに働く一人一人が企業の中で同じベクトルを持って進んでいくこと。そのような考え方が、よりよい企業へと変化を遂げながらあり続けるのだと思いました。

何でも、目の前のことばかりに目を向けるのではなく、発信し続けること、長く続けることで変化し、結果は必ず帰ってくると違う角度から見ることも大切だと感じました。

本当に貴重なお話が聞け、会場内は時には笑いも起き、皆さん熱心に公演を聞かれる姿が見受けられました。

(文責:田中彩)

■京都流議定書2010レポート一覧
初日(2010年7月23日)
市民講座 『京都大学グローバルCOEプログラム 地球温暖化時代の科学拠点』
京都流議定書2010 オープニング・セレモニー
鼎談 『京都から考えるライフスタイルそして企業の在り方』
講演 『理念を基軸とするオムロンの経営の考え方』
報告講演 『大学生のCOP15会議 参加報告』
基調講演 『新しいゲームがはじまった ~低酸素社会実現に向けて~』
2日目(2010年7月24日)
ワールド・カフェ 『200人で良い会社とは?』
講演 『いい会社を作りましょう (京都フォーラム) 』
講演 『「利より信」の経営 (京都フォーラム) 』
パネルディスカッション 『素晴らしき経営を目指して (京都フォーラム) 』
3日目(2010年7月25日)
基調講演 『こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した~京都で生まれたNPO 10 年間の軌跡~』
シンポジウム 『老舗の技を解析する』
シンポジウム 『-CSRは将来の利益を生み出す投資- 地域と共に生きる京の老舗企業』
OST 『京都未来創造発掘場』~学生と経営者が生み出す革新プロジェクト創出ワークショップ~
特設ブースとイベントを終えて

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