2010年8月27日金曜日

シンポジウム 『老舗の技を解析する』 (京都流議定書2010レポート)

テーマは、『老舗の技を解析する』


NPO法人伝統みらい太田智子氏
京壁の伝道師 佐藤ひろゆき氏
京都工芸繊維大学 伝統みらい教育研究センター長 濱田泰以氏
の方々によります、「熟練者非熟練者の比較・匠がどのように優れているか偽の伝承に必要なこと」について意見交換をして頂きました。

濱田泰以氏(京都工芸繊維大学 伝統みらい教育研究センター長)




から伝統みらい教育研究センターについてお話頂きました。

伝統みらい教育研究センターでは、職人における匠の技の解明をし、匠の技という「こつ」の定量化と、それらを生み出す身体能力として、土壁職人の塗り動作における職人技の解明をされているそうです。


濱田先生はこの技術は、「技・コツ・見極め」3つの側面で考えているそうです。
「技は、身体と眼球の動きを見て、コツは、筋肉の動きを追う、見極めは、脳科学や心理学で、“師匠がよし!”というタイミングはどういう時かをみる。技で、構造ができて、コツで、機能ができて、見極めでは、感性ができる。それをものづくりに通すと形がつくられて、使われて、愛される製品になる、高品製品の創出になる。」と仰っていました。


佐藤ひろゆき氏は、「今までは、暗黙知で師匠の動きを見て覚えていたのが、この技術を使うと、仕事を覚えるのに必要とする日時も今までは10年かかっていたのが6年で取得できるのではないか」とお話されました。



お話を聞いて、匠の技術が暗黙知だったものが解明できるようになるというのは従来では考えられなかったすごいことだと思いました。このような技術を使えば伝統の匠を継承することが容易になるのではないかと感じました。


(文責:前江田)

■京都流議定書2010レポート一覧
初日(2010年7月23日)
市民講座 『京都大学グローバルCOEプログラム 地球温暖化時代の科学拠点』
京都流議定書2010 オープニング・セレモニー
鼎談 『京都から考えるライフスタイルそして企業の在り方』
講演 『理念を基軸とするオムロンの経営の考え方』
報告講演 『大学生のCOP15会議 参加報告』
基調講演 『新しいゲームがはじまった ~低酸素社会実現に向けて~』
2日目(2010年7月24日)
ワールド・カフェ 『200人で良い会社とは?』
講演 『いい会社を作りましょう (京都フォーラム) 』
講演 『「利より信」の経営 (京都フォーラム) 』
パネルディスカッション 『素晴らしき経営を目指して (京都フォーラム) 』
3日目(2010年7月25日)
基調講演 『こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した~京都で生まれたNPO 10 年間の軌跡~』
シンポジウム 『老舗の技を解析する』
シンポジウム 『-CSRは将来の利益を生み出す投資- 地域と共に生きる京の老舗企業』
OST 『京都未来創造発掘場』~学生と経営者が生み出す革新プロジェクト創出ワークショップ~
特設ブースとイベントを終えて

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